無念の1点差負け…侍ジャパンが準決勝で力尽き、世界一奪還の夢破れる
「2017 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下、WBC)の準決勝・アメリカ戦が21日(日本時間22日)、米ロサンゼルスのドジャースタジアムで行われ、侍ジャパンが1対2でアメリカ代表に惜敗。2大会連続で無念の準決勝敗退となった。
先発・菅野が魂のピッチングを展開
世界一奪還へ向けた勝負の準決勝。ここまで無傷の6連勝で勝ち上がってきた日本は、細かい霧のような雨が降り続く中、1番・山田哲人(東京ヤクルト)から万全のオーダーを組み、菅野智之(読売)が先発マウンドに上った。
まずは日本のエースが堂々たるピッチングを披露する。「ストライク先行で行けた」と菅野。初回を3人で打ち取ると、続く2回表も2年連続2冠王の4番・アレナドから三振を奪うなど完璧な内容で3者凡退。3回表には先頭の7番・ポージーに初ヒットを許した後、ビデオ判定の末に得点圏に走者を背負ったが、動じることなく後続をしっかりと抑え、3回まで38球、1安打無失点に抑えた。
早めに菅野を援護したい打線は初回、死球の山田を2番・菊池涼介(広島東洋)が送って1死2塁。しかし、3番・青木宣親(アストロズ)がセカンドゴロに倒れると、1死3塁からの4番・筒香の当たりはレフト正面。その後、2回裏に6番・坂本勇人(読売)、3回裏には9番・小林誠司(読売)がヒットで出塁したが、ボールを動かしながら低めに集めるアメリカの先発・ロアークを捉えきれずに無得点が続いた。
試合が動いたのは4回表だった。1死からアメリカの3番・イエリチの鋭い打球を二塁手・菊池が捕球できず、エラーで1死2塁。その後、2死1、2塁となった場面で、菅野が6番・マカチェンにスライダーを捉えられてレフト前へ。これが先制タイムリーとなった。
それでも菅野は強気のピッチングを続け、5回を3人で切り抜けると、6回には2死走者なしから4番・アレナドを渾身の外角ストレートで三球三振し仕留めて気迫のガッツポーズ。6回81球を投げて3安打6三振1失点(自責0)に抑えた背番号11は、「(小林)誠司が引っ張ってくれたことが一番良かった。これまで図ってきた意思疎通が大一番でできた」と納得の表情で味方に試合を託した。
菊池が同点弾も松田が痛恨のファンブル…、筒香&中田も沈黙
6回裏、菅野がベンチに戻って来た直後に円陣を組んだ侍ジャパン。すると、1死走者なしから「菅野に悪いことをした。何とかしたい気持ちで打席に立った」という菊池が、アメリカ2番手・ジョーンズの158キロを捉えてライトスタンドへ飛び込む同点ソロアーチ。試合を振り出しに戻した。
だが、8回表に落とし穴が待っていた。前のイニングからマウンドに上がった千賀滉大(福岡ソフトバンク)が4者連続三振と圧巻の投球を続けながら、この回1死から9番・クロフォードにライト前ヒットを許すと、続く1番・キンズラーに左中間を破られて1死2、3塁のピンチ。ここで日本はバックホーム体制を敷くと、2番・ジョーンズはボテボテのサードゴロ。しかし、ここで三塁手・松田が痛恨のファンブル。本塁には投げられず、勝ち越しを許す結果となった。
再びビハインドを背負った日本は直後の8回裏、代打・内川聖一(福岡ソフトバンク)のヒットから2死1、2塁のチャンスを作ったが、4番・筒香の打球はライト正面。「1点が遠かった」と小久保裕紀監督。最終回も3人で簡単に打ち取られるなど、アメリカの計7投手の継投の前に日本打線は4安打のみ。4番・筒香が3打数無安打、5番・中田も4打数無安打と、ここまで試合を決めてきた主軸が無安打に抑え込まれた。
試合終了後、多くの選手たちがベンチの中で一歩も動けず。約4年間に渡って代表チームを率いてきた小久保監督は、悔しさを押し殺しながらも「選手たちに感謝したい。本当に悔しい負けですけど、選手たちはよくやったと思います」と侍戦士たちの戦いぶりを称えた。リベンジの機会は必ず来る。夢は次世代へ。世界一奪還は手の届くところにある。
監督コメント
日本・小久保裕紀監督
「ホームが遠い試合でした。ピッチャーは本当によく投げた。1番から9番までバリバリのメジャーリーガーで、チームでは3番、4番を打っている選手たち相手に本当によく投げたと思う。こっちがなかなか(バットの)芯で捉えることができなかった。少しの守備のミスも出ましたけど、これは責められませんし…、1点が遠かったです。一発勝負で難しい戦いだったが選手は責められない。後半、8回が勝負だと思って行って形は作りましたけど、そこでヒットが出るか出ないか、こればっかりは分かりませんから…。何度も言うようですけどホームが遠かったですね。東京ドームでの戦いぶりと侍ジャパンとして開幕前にリスクを負いながらこのユニフォームに袖を通してくれた選手たちに感謝したい。本当に悔しい負けですけど、選手たちはよくやったと思います」
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