1番・山田の2発&代打・内川の決勝犠飛!無傷の5連勝で準決勝進出へ大きく前進!
「2017 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下、WBC)の2次ラウンド第2戦・キューバ戦が14日、東京ドームで行われ、侍ジャパンが8対5でキューバ代表に競り勝ち、アメリカでの準決勝進出に大きく前進した。
山田が先頭打者弾も先発・菅野が4回4失点で降板…
2日前の4時間46分の死闘から休養日を挟んで迎えた2次ラウンド第2戦。1次ラウンドで11対6と勝利した相手との再戦に、小久保裕紀監督は山田哲人(東京ヤクルト)を1番に戻し、オランダ戦ではベンチスタートだった松田宣浩(福岡ソフトバンク)も「7番・サード」でスタメン復帰。先発マウンドにはエースと明言する菅野智之(読売)を送った。
試合はいきなり動いた。1回裏、相手先発・バノスに対し、先頭の山田がカウント2-1からの3球目を叩くと、高々と舞い上がった打球はレフトスタンド中段へ。「最近、自分のスイングができていませんでしたが、この打席では自分のスイングができた」と山田。この試合の前まで打率.176だった男が目覚めの先頭打者ホームランで日本が1点を先制する。
しかし強力キューバ打線が襲い掛かる。先制直後の2回表、菅野が4番・デスパイネに内野安打を許すと、続く5番・グラシアルにレフトスタンドへライナーで飛び込む逆転2ランを被弾。日本も3回裏に山田の2塁打から2死3塁として4番・筒香嘉智(横浜DeNA)のセンター前タイムリーですぐさま同点に追いついたが、菅野が4回表に再びつかまり、3本のヒットで満塁とされて9番・メサに2点タイムリーを浴びてリードを許す展開。菅野は「良いボールと悪いボールの差がはっきりしていた。粘ることができなかった」と4回74球を投げて7安打4失点で降板した。
粘り強く同点。内川で勝ち越し、山田がトドメを刺す!
リードを許した状態でエースが降板する事態にも、「打線が粘り強く追い付いて、中継ぎも頑張った」と小久保監督。2点を追う5回裏、9番・小林誠司(読売)のヒットと山田の四球、菊池涼介(広島東洋)の送りバントで1死2、3塁とすると、3番・青木宣親(アストロズ)の内野ゴロの間に1点を奪い、さらに4番・筒香が2打席連続となるセンター前タイムリーを放って同点。平野佳寿(オリックス)を挟み、6回表に3番手で登板した増井浩俊(北海道日本ハム)が7番・アラルコンの勝ち越しのタイムリーを許したが、その裏に松田の振り逃げと秋山翔吾(埼玉西武)の四球で作ったチャンスに、今大会ラッキーボーイの小林がしぶとく三遊間を破るレフト前タイムリーを放って三度、同点に追いついた。
そして松井裕樹(東北楽天)、秋吉亮(東京ヤクルト)が無失点で繋いだ後の8回裏だった。1死から松田が相手エラーで出塁すると、秋山がレフト前ヒットで繋いで1死1、3塁。ここで、この日2安打を放ち今大会の通算打率.500の小林を迎えたが、小久保監督は「迷ったが、ここは勝負だと思った」と代打・内川聖一(福岡ソフトバンク)を宣告。「いつも以上に緊張した」という内川だが、追い込まれながらもライトへ犠牲フライを打ち上げて勝ち越しに成功。ベンチ内で全員とハイタッチを交わした。
さらに山田がトドメを刺す。気落ちした相手3番手・ラエラの初球スライダーを見逃さず、レフトスタンドへ打った瞬間に本塁打と分かるこの日2本目のアーチ。リードを3点に広げると、最終回は牧田和久(埼玉西武)が2三振を奪って打者3人でピシャリ。ヒット数はキューバの10本に対して日本は9本だったが、相手の隙を見逃さない粘りと集中力、そしてチーム全員の結束力で1次ラウンドからの連勝を5に伸ばした。 これで明日のイスラエル戦(東京ドーム、19時開始)に敗れてもプレーオフもしくは条件次第で準決勝進出が決まるという状況となったが、小久保監督は「今日のことは今日で、過去です。明日、勝ちに行きます」とキッパリ。無傷6連勝での1位通過を狙い、2次ラウンド最終戦を戦う。
監督・選手コメント
小久保裕紀監督
「やはり同じチームと2度目というのは非常にやりにくさを感じた。(キューバ戦打線は)1次ラウンドよりもさらに振りが鋭かった。(先発の菅野は)送り出した時点で、菅野でやられたらしょうがないと腹はくくっている。本人は最少失点でという思いでしたでしょうけど、チームが勝って何よりです」
山田哲人選手
「ここ4試合ぐらい自分自身納得の行くバッティングができてなかったんですけど、今日は自分が決めてやる、自分が打って試合に勝つんだという強い気持ちで試合に臨んだ。バッティング練習からすごく良かったので、今日は打てるかな、と思っていた。気持ちの部分でも少し余裕が出て、自分のスイングができた」
内川聖一選手
「(8回の場面は)スコアリングポジションにいったら(代打に)行くよと言われていた。アキ(秋山)が繋いでくれた時点で勢いよく送り出してくれた。気合で打席に入りました。欲を言えばヒットでなんでしょうけど、何でもいいので1点という思いだった。(外野手が)捕ってくれて良かった。このチームで世界一になりたいという思いは、侍ジャパンとして結成された時点からすごく強かった。ここまですごくいい雰囲気で来ていますし、何としても明日勝って、負けなしでアメリカに行きたい」
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