WBC1次ラウンド プールBチーム紹介 ~オーストラリア代表 MLBや日本球界経験者も所属する侮れない存在~
「2017 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 」(以下、WBC)東京ドームでの1次ラウンドプールBを日本と共に戦うオーストラリア。これまで3回連続で出場を果たし、初の二次ラウンド進出を目指す彼らの近年や注目選手に迫っていく。
日本から南へ7000㎞あまりの南半球。オセアニア地域NO1の人口と面積を誇るオーストラリア。日本とアジア地域のライバル関係にあるサッカーや、世界トップクラスのラグビー・クリケットなどがメジャースポーツとして有名だが、野球についても現在WBSCランキング11位と実力はかなり高い。
そのオーストラリアにおける野球の歴史はアメリカによる普及活動にはじまる。1989年には初のプロリーグ「オーストラリアン・ベースボールリーグ」が発足。その後は紆余曲折を経た時期もあったが、2010年にはオーストラリア野球連盟とMLBの出資で現在に至るプロリーグ「オーストラリアプロウィンターリーグ(以下、ABL)が設立された。このABLの大きな特徴はレギュラーシーズン(11月~翌年2月)に、MLBのマイナー契約の選手だけでなく世界各国から選手が集う点。日本からも過去、埼玉西武の菊池雄星投手をはじめ、多くの選手がこのABLで腕を磨いている。
さらに2014年3月には、シドニーでMLBの開幕シリーズ第1戦が行われるなど、野球への注目度は確実に高まってきており、これまでMLBにも数多くの選手が進んできた。また、NPBでも過去、MLBを経て北海道日本ハム・巨人・埼玉西武で8年間活躍したタフネスサイドのマイケル中村投手や、阪神の左腕セットアッパーとして活躍したジェフ・ウィリアムス投手(現:同球団駐米スカウト)や、同じく阪神に在籍したクリス・オクスプリング投手(現:韓国ロッテコーチ)などが活躍している。
こういった個人の成長に伴い代表チームの成長も近年著しい。最も世界にインパクトを与えたのは2004年のアテネ五輪。ジェフ・ウィリアスやクリス・オクスプリングらの働きにより、準決勝では日本を破る金星をあげ銀メダルを獲得。昨年11月にメキシコで行われた「2016WBSC U-23ワールドカップ」においては日本に惜敗したものの準優勝。昨年2月に地元開催のWBC予選でニュージーランド、フィリピン、南アフリカを破って4大会連続本大会出場を決めた勢いを維持したまま、東京ドームへ乗り込むことになりそうだ。
今回のメンバーはMLB、MLBマイナー、ABL中心の構成。その筆頭格が昨年、アスレチックスで53試合、防御率3.76と好成績を残したリアム・ヘンドリックスであり。平均球速152キロを誇る剛腕リリーバーは、本大会でもフル回転の期待を担う。
また、マリナーズやダイヤモンドバックスで計121試合登板した左腕のライアン・ローランドスミス(ブリスベン・バンディッツ)、昨年MLBで6試合に登板したワーウィック・サーポルト(タイガース)もヘンドリックスと共に後半イニングを締めにいくのは確実だろう。
ただ、先発は昨年MLBデビューを果たしたワーウィック・サーポルト(タイガース)や、2015年に石川ミリオンスターズ(ルートインBCリーグ)に所属し、リーグ奪三振王となったライアン・サール(ブリスベン・バンディツ)らが中心になるものの、39歳のクリス・オクスプリングも予備登録の投手枠としてエントリーする苦しい状況。2000年シドニー五輪、2004年のアテネ五輪のみならず、WBCも4度目の指揮となるベテランのジョン・ディーブル監督が振るう継投策が大きなかぎとなりそうだ。
一方、野手の中心は32歳のルーク・ヒューズ内野手(アメリカ独立リーグ:ランカスター・バーンストーマーズ)。MLBで106試合の出場経験者を持ち2010年にはMLB初打席初本塁打もMLB屈指の剛腕・マイク・シャーザー(ナショナルズ)からマーク。また、2013年の「侍ジャパンWBC壮行試合」でも前田健太(現MLBドジャース)からホームランを放つなど一発長打に魅力がある。
また、過去にMLBマイナー4年間で47本塁打を放ったマイク・ウォーカ(メルボルン・エイシズ)。さらに新潟アルビレックスBC(ルートインBCリーグ)、東京ヤクルト、愛媛マラソンパイレーツ(四国アイランドリーグplus)と渡り歩いたミッチ・デニング外野手(アデレード・バイト)や、2015年に新潟アルビレックスBCに所属したデビッド・キャンディラス(シドニー・ブルーソックス)といった「元:日本組」にも注目したい。
過去のWBCではすべて第1ラウンド敗退しているオーストラリア。初の第2ラウンド進出を目指し、1次リーグプールBでは日本・中国・キューバの順で対戦する。3月8日(水)19時から東京ドームで対戦する侍ジャパンにとっては、相手が初戦ということを鑑みても決して侮れない戦いとなる。
ニュース
- 2017.3.23
- アメリカが悲願のWBC初優勝!決勝でプエルトリコを8対0で下す
- 2017.3.22
- 無念の1点差負け…侍ジャパンが準決勝で力尽き、世界一奪還の夢破れる
- 2017.3.21
- プエルトリコが延長11回タイブレーク制す 粘るオランダ破って2大会連続決勝進出!
- 2017.3.20
- 激戦を勝ち抜きプエルトリコは連勝をキープ 2次ラウンドプールF総括
- 2017.3.20
- WBC2次ラウンド プールFチーム紹介 ~プエルトリコ代表 身体能力と緻密さ兼ね備える"野球の島"~
- 2017.3.19
- アメリカ、ドニミカ共和国との天王山を制し準決勝で侍ジャパンと激突!
- 2017.3.19
- プエルトリコ、ベネズエラから18安打13得点 大会6連勝でオランダとの準決勝へ