WBC最終登録メンバー決定、各国実力派が名を連ねる

2017年2月9日 お知らせ

 現地8日、「2017 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下、WBC)に向けた各国最終登録のロースターが大会サイドより発表された。3月6日(現地)から韓国・日本・アメリカ・メキシコで1次リーグが順次開幕。参加16か国ともMLB組を含む実力選手が28選手の中に名を連ねた。

 韓国、チャイニーズ・タイペイ、オランダ、イスラエルがエントリーしている1次リーグ・プールAから見ていくと、韓国には2014年から2年間・阪神タイガースで守護神だったオ・スンファン(呉昇恒)投手(カージナルス)や、オリックス・バファローズ、福岡ソフトバンクホークスで計4年間プレーしたイ・デホ(李大浩)内野手(ロッテ・ジャイアンツ)、千葉ロッテマリーンズでプレーしたキム・テギュン内野手(ハンファ・イーグルス)がエントリー。チャイニーズ・タイペイではチェン・グァンユウ(陳冠宇)投手(千葉ロッテマリーンズ)、グォ・ジュンリン(郭俊麟)投手(埼玉西武ライオンズ)、ソン・チャーホウ(宋家豪)投手(東北楽天ゴールデンイーグルス)をはじめ、独立リーグ含む日本の球団現所属選手4名、同じく独立リーグ含む日本での野球経験を持つ選手2名がメンバー入りした。

 また、オランダではレッドソックスのザンダー・ボガーツ内野手やヤンキースのディディ・グレゴリウス内野手、オリオールズのジョナサン・スコープ内野手といったMLBの一流クラスが軒並みエントリー。東京ヤクルトスワローズのウラディミール・バレンティン外野手や、福岡ソフトバンクホークスのリック・バンデンハーク投手もそこに加わる。イスラエルもメッツのタイ・ケリー外野手を筆頭にMLB傘下選手が11人入っている。

 続いて日本、キューバ、中国、オーストラリアの1次リーグ・プールB。日本はMLB・アストロズの青木宣親外野手を含む精鋭たちが2大会ぶりの世界一奪還を狙う。キューバは元・読売ジャイアンツのフレデリク・セペタ外野手(ガジョス・デ・サンクティ・スピリトゥス)や前・千葉ロッテマリーンズのアルフレド・デスパイネ外野手(アラサネス・デ・グランマ)など、国外リーグでも派遣経験を積んだ選手を含む28人が初戴冠を期す。

 また、中国はMLB傘下でのプレー経験を持つレイ・チャン(張宝樹)内野手やオリオールズ傘下のレイ・ギアン(Xu, Guiyuan)内野手がエントリー。オーストラリアではアスレチックスのリアム・ヘンドリックス投手、タイガースのワーウィック・サーポルト投手といったMLB経験選手の他に、東京ヤクルトスワローズでかつてプレーしたミッシェル・デニング外野手(アデレード・バイト)らもWBCメンバー入りを果たした。

 アメリカ、ドミニカ共和国、カナダ、コロンビアの1次リーグ・プールC組に目を転じると、悲願の初優勝を狙うアメリカは28名全員がMLB開幕40人のロースター入りしているスター集団。MLB1408安打のアダム・ジョーンズ外野手(オリオールズ)や、同1304安打のアンドリュー・マカッチェン外野手(パイレーツ)など、経験豊富な選手たちも多数名を連ねている。前回大会優勝国のドミニカ共和国も大半がMLB開幕40人ロースター入り選手。MLB2210安打のレジェンド、ロビンソン・カノ内野手(マリナーズ)、2014年MLB本塁打王のネルソン・クルーズ(マリナーズ)といった前回大会を知るスターたちが、再びの歓喜を視野に入れる。

 カナダでは、セットアッパーのジョン・アックスフォード投手(アスレチックス)や、ブレーブスの主砲、フレディ・フリーマン内野手に加え、スコット・マシソン投手(読売ジャイアンツ)や、昨年は横浜DeNAベイスターズでプレーしたジェイミー・ロマック内野手(パドレス傘下)もメンバー入り。コロンビアでは、フリオ・テヘラン投手(ブレーブス)、ホセ・キンタナ投手(ホワイトソックス)、ディルソン・ヘレーラ内野手(メッツ)らMLB勢に加え、前・横浜DeNAベイスターズのギジェルモ・モスコーソ投手もWBCメンバー入りを果たしている。

 最後にメキシコ、プエルトリコ、ベネズエラ、イタリアが入った1次リーグ・プールD。メキシコはWBC4大会連続出場のエイドリアン・ゴンザレス内野手(ドジャース)を筆頭とするMLB勢40名枠入り11名と、ルイス・メンドーサ投手(北海道日本ハムファイターズ)、ブランドン・レアード内野手(北海道日本ハムファイターズ)、ジャフェット・アマダ―内野手(東北楽天ゴールデンイーグルス)、ルイス・クルーズ内野手(読売ジャイアンツ)が融合して戦う。プエルトリコは、大ベテランのカルロス・ベルトラン外野手(アストロズ)やヤディアー・モリーナ捕手(カージナルス)らと同じく、元・東京ヤクルトスワローズのオーランド・ロマン投手(チャイニーズ・タイペイ、Lamigoモンキース)も4大会連続代表入りを決めた。

 ベネズエラでは、3年連続MLB200安打以上を継続中のホセ・アルトゥーベ(アストロス)や、2012年のMLB三冠王であるミゲル・カブレラ(タイガース)といったスーパースターたちがそろってメンバー入り。なお、福岡ソフトバンクホークスのロベルト・スアレス投手も同代表入りを決めている。そしてイタリアはドリュー・ブテラ捕手(ロイヤルズ)、ヤンキースの左腕セットアッパーであるトミー・レイン(ヤンキース)や、元オリックス・バファローズのアレッサンドロ・マエストリ投手(ルートインBCリーグ・群馬ダイヤモンドペガサス)がWBCに挑む。

 このように、有名選手ばかりでなく、日本と縁を持つ選手も各国で代表入り。WBCは一流の技を見ると同時に、日本野球のフィルターを通じての過去と現在、未来を見る上でも非常に興味深い大会となる。